皆さんも一度は考えた事があると思いますが、今年のアオリイカは数が多い?少ない?
昨年は良く釣れたのに今年は全然釣れないから単純に数が少ないだけ!
と思っていたら、他の場所での情報は今年は数が多い!なんてことありますよね。本当に年ごとのアオリイカの個体数の違いはあるのでしょうか?
今年はアオリイカの当たり年と言えるのでしょうか?
今回はそんなアオリイカの個体数の違いについてご紹介いたします!
目次
アオリイカの生態
アオリイカはヤリイカ科・アオリイカ属のイカの一種になります。
日本の生息域としましては、北海道から南の沿岸部に幅広く生息しています。
比較的暖かい海域を好むので、地域によって釣れる時期が多少異なります。
大きさは最大で胴長50センチ以上と沿岸部では大型な部類のイカとなります。
そんなアオリイカの寿命は1年で、たった1年間で一生を終えてしまいます。しかし、1年で胴長50センチと驚異的な成長スピードを誇ります。
春から夏になると、親イカと呼ばれる大型のアオリイカが海岸近くの浅瀬にやってきて産卵をします。水温にすると15度以上が目安となります。
ここで卵を産み終わった親アオリイカたちは死滅してしまいます。
産み付けられた卵は30日前後で孵化し、小魚や甲殻類を捕食して育ちます。
そして秋になる頃には、ある程度成長したアオリイカが多くなりエギングシーズンとなるわけであります。
冬に近くなって15度を下回る頃になると、成長したアオリイカ達は水温が安定する深場へと移動していきます。
冬場は水温の安定する沖合で過ごす事となり、そこで親イカとして成長します。
基本的にアオリイカの一生はこのような流れとなります。
釣れるアオリイカの数が少ない
アオリイカは複数回産卵をします。1回の産卵で200~8000個の卵を産みます。卵の数だけ見ると多いのになぜ個体数が少なくなるのかという疑問が出てきます。
ここではその年の釣れる数に影響が出るであろう事について見ていきましょう。
ちなみに生き残って産卵に接岸する春の親イカは、秋に比べると絶対数は極端に少なくなります!なかなか釣れない春のアオリイカとなる訳なのです。
幼体の時期に食べられる
卵の時期は食べられることがあまり無いそうです。アオリイカの卵は魚が嫌がるバクテリアが含まれているとされています。
まず考えられるのが孵化した後、幼体の時期に他の魚に食べられてしまう事です。
イカ類はご存知の通り天敵が多く存在します。卵の産む量が多いというのはそれだけ生き残る確率も低いことからきているのです。
例年より天敵が多い状況になってしまう事もありえますので、成長する個体が少なくなり釣れにくくなります。
台風が多いと数が減る
アオリイカの産卵は春から夏にかけてと期間の幅があります。そして孵化するのが夏から秋くらいになりますので、台風シーズンと重なる恐れがあります。
台風が直撃してしまうと、卵や卵を産み付けた藻などが流される場合が出てきます。
そうなるとたくさんの卵から孵化する確率はかなり減ってしまいます。
これは実際に私も確認しています。ボートでシロギス釣りをしてたらアオリイカの卵が付いたホンダワラが流れていきました。
結果、成長する個体数が減り釣れなくなります。
エギンガーが増えた
これは単純に、釣る人が増えると1人当たりの釣れる数が少なくなります。
例えば、陸から狙える範囲に今年は400杯いたとしましょう。去年は20人のアングラーが20杯釣ります。今年も400杯ですが、アングラーの数は40人になります。
単純に1人当たり10杯となり今年は数が少ない!となる訳であります。自分が釣りをする他の時間にたくさん釣ってる可能性が高いこともありえます。(平日など)
釣れるアオリイカが少ないので、今年は少ないと錯覚する事となってしまいます。
親イカの乱獲
実はこれが一番の影響が出るんじゃないかと思われます。親イカのメスを持ち帰る行為です。
さっきも述べましたが、1回の産卵で卵を200~8000個産みます。それを複数回行いますので、相当な数の卵が存在すらできなくなります!
これが個体数減の一番の原因となるわけであります。
嬉しいから記念といってむやみに持ち帰らないようにしてください!その行為で相当な数のアオリイカが存在できなくなります。
個体が少なくなってアオリイカ釣りが禁止にならないよう、釣り場は自分たちで守りましょう。
秋イカの乱獲
現在はエギングが大人気で、シーズン中になるとどこもアングラーでいっぱいな状態であります。陸から釣れるサイズはほとんど釣られていると言っても過言ではありません。
そうすると単純に親イカになる個体数が減ってしまいます。他の魚に食べられているからというのもありますが、アオリイカを食べる魚にもエサが無いといった影響が少なからず出ると思われます。
では昔はどうだったのか?
まだエギングがなかった時代はおそらくたくさんいたと思われます。それでも増えすぎない理由としては、アオリイカをエサとしていた魚たちがたくさん食べていたと思います。あの卵の量からすると納得できそうであります。
そうすると、秋イカの乱獲によって1番影響があるのはエサとしていた魚たちかもしれませんね。エサが無くなった訳でありますから・・・。
これは個人的な意見であり、実際と異なる場合がありますのでご了承ください。
爆釣したとしても、食べれる分だけ持ち帰るようにしましょう!
場所によって個体数が違う
いつもアオリイカが良く釣れる定番ポイントに、個体数の差がある可能性もあります。なんらかの影響で今年は違う場所に多く存在していることだってありえます。
これはボートエギングで私自信が体験しておりますが、産卵場所の違いがあるのか釣れやすいポイントは毎年違ってきてます。昨年よく釣れたポイントが今年はまったくダメなんてざらにあります!
それを錯覚して今年は釣れないから少ないという意見も出てくるかと思われます。
定置網漁などで大量捕獲
これは昨年の事になりますが、秋シーズンに台風が多く強風などで釣りに行けなかった日が多かったために、沖の定置網漁にたくさんのアオリイカが入りました。
釣られてないアオリイカたちが成長し、沖に移動したタイミングで大量に捕獲されてしまうのです。
せっかくの生き残っていた親イカとなる個体が最終的には減ってしまう訳であります。
産卵タイミングの差
産卵期間が春から夏にかけてと長いことによる数の違いです。
ある親イカは5月に産卵したとます、しかし、6月に産卵する個体もいます。そうすると、個体ごとに成長のバラつきが発生します。シーズン中にまだ新子だったり、もうトンカツサイズだったりと釣れる個体の数のバラつきも出てくる事となります。
新子の場合はまだエギで釣るのは難しく、コロッケサイズやトンカツサイズになるとエギを積極的に追いかけるようになります。
じゃあ、今の時期はコロッケサイズが少なく、新子が多い場合は?
答えは、今は釣れる数が少ないですよね!
産卵のズレをイメージにするとこんな感じになります↓(イメージにより参考程度に)
釣れるサイズの個体数によって多いか少ないか判断しているのです・・・。
新子やからまだ早い!もうコロッケサイズになってる!なんて情報はあくまでも推測でしかありません。産卵のズレがありますから当然だと思います。
となると早い時期に釣れる個体数よりもあと1ヵ月後に釣れる個体数の方が多かったりする事も十分にありえます。(後半でよく釣れるなど)
単純に全部の親個体が同じ時期に産卵すれば、釣れるサイズの個体数は多くなります。(エギングシーズンは短くなります)
同じ時期に釣ったアオリイカ!これだけの個体差が普通に出てくる!
地域によって産卵の時期とタイミングが違う!
例年より海水温が低いか高いか?
これは日本海側のアオリイカになりますが、冬の日本海はアオリイカにとって過酷な環境になります。
水温が下がりきるとたとえ深場に移動したとしてもアオリイカは生きていられません・・・。
そうなんです!日本海側のアオリイカは生きるためには大移動しなくてはならないのであります。
そんな環境のアオリイカは水温に敏感になっていると予想できます(生きるための行動)
今年は水温が低い、水温が例年より高いとなると日本海側のアオリイカの行動に大きく影響し、例年は釣れていた場所で釣れないなんて事が普通に起きると思われます。
これに関しては個人的な意見になりますので参考程度にお願いします。
まとめ
いかがだったでしょうか?
結論から言うとその年にアオリイカが多いか少ないかは誰もわからないのです。いろいろな要素があるため、今年は多い・少ないと断定することはできません。
その年が多い・少ないかは釣ったアオリイカを全員申請することでもしない限り無理な話です・・・。
自分自信がたくさん釣れたからといって当たり年という訳ではないのです!周りの情報ばかりに惑わされるとせっかくのチャンスを逃す事にもなりますよ!
しかし、これからエギングを続けるにあたって、最低限守らなければならないルールも存在しております。むやみに乱獲などはやめましょう!
釣りはマナーを守っていつまでも続けられる最高な趣味でやっていきましょう♪
いつまでもエギングが楽しめるように最低限のマナーを守りましょう!
もっとアオリイカに詳しくなりたい方はコチラの記事も↓
下記の本を読むとアオリイカに詳しくなり、エギングがもっと楽しくなります♪
アングラー目線の本なので非常に分かりやすい!!
私も読みましたが、エギングされる方には超おすすめの本となります!
ではよい釣果を!